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ネブラスカ大の富永啓生「もちろん勝てなかったのは悔しいが、大舞台でプレイできたのが本当に良かった」|現地3月22日NCAAトーナメント1回戦後一問一答

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Keisei Tominaga, Nebraska University
(Getty Images)

3月23日(現地22日)、米国大学バスケットボールNCAAディビジョン1(1部)のネブラスカ大学に所属している富永啓生がNCAAトーナメント1回戦のテキサスA&M大学との試合後にメディアの取材に応じた。

この試合で先発出場した富永は、29分間のプレイで21得点、2リバウンド、1アシストをマーク。試合はネブラスカ大学が83-98で敗れ、富永は大学でのキャリアを終えることとなった。

以下、富永の試合後の一問一答(日本語での質疑応答。質問は要約)。


もっともっと改善することがあるなって思えた試合になりました

──試合を振り返って。

富永:最初の5~6分は自分たちのやりたいようなバスケットができていて良い出だしで入れたと思ったんですけれど、やっぱディフェンスで相手の1対1を止めることができずに、得点取られたら自分たちのやりたいトランジションからのオフェンスというのがでてこない。なかなか自分たちの流れにならなかった試合でした。

──相手の3ポイントショットが予想していた以上に決まっていたことでディフェンスが崩れた?

富永:それは間違いないですね。それこそ35番(マニー・オバセキー)だったり、元々そんなに3Pが入るような選手ではないと思うのに、それが入ってきてしまうと、クローズアウトの部分とかも少しハードに行かないといけない。向こうからしたら、そのギャップでドライブが簡単になってきていたんじゃないかなと思います。

──試合の入りで連続で3Pを決めていたが、自分のプレイを振り返って。

富永:出だしは良い勢いをチームにもたらすことができたんじゃないかなと思います。でも途中でミドルシュートなど、普段入るようなシュートが全然入っていなかったので、そういうところはまだ詰めが甘かったなというところもあります。それでも、オフェンスの部分ではそれなりに自分のやりたいバスケットはできたんじゃないかなと思います。

──大学キャリアの中で目指していたNCAAトーナメントの舞台に立って。

富永:やっぱり、もっともっと改善することがあるなって思えた試合にもなりました。こういう大舞台でプレイできたというのは、自分が一番の目標としていたところでもあったので、そこはすごく嬉しかったです。こうやって3年間、ここの大学でやってきて、最後、この舞台に立てて終われたっていうのは、もちろん勝てなかったのは悔しいですけれど、大舞台でプレイできたのが本当に良かったかなと思います。

──最後、ベンチに戻るときに泣いているように見えたが、どんな思いがこみあげてきたのか。

富永:3年間やってきて、コーチの下でこうやってプレイするのも最後になるっていうことなど、いろんな感情がこみあげてきました。

──この3年を振り返って。

富永:3年間、良い経験もしたり、つらい経験もしたりと色々あったんですけれど、こうやって最後、チームの中心選手として、このチームをネブラスカの歴史の中でもトップに入るような成績で終わらせることができたことは本当に良かったんじゃないかなと思います。

──つらい結果になったが、楽しむことはできたか。

富永:もちろん楽しむことはできました。もちろん、最後の3~4分は楽しいとは言えないんですけれど、今まで3年間やってきたことが良い経験になったのだと思います。

オリンピックは本当に自分も出たいと思っている

──今後の目標。

富永:これからちょっと一回休んで。そこからまた自分のバスケットに戻って。もちろん目標としているのはNBAなんで、そこを目指すことはもちろんなんですけれど、本当に自分に何がベストなのかっていうのを考えながらやっていこうと思っています。

──オリンピックの準備期間とNBAのサマーリーグが重なってくるが、それについてもこれから考える?

富永:そこは色々とコーチ陣とコミュニケーションを取りつつ。もちろん、オリンピックは本当に自分も出たいと思っているんで、そこは本当に意識しながらなんですけれど、プラス、自分がオリンピック後にどのチームに所属するのかっていうところはやっぱ大事になってくるんで、そこを考えながら自分のベストになるように頑張って考えていきます。

──アメリカに出てきて、レンジャーカレッジも入れて大学の5年間で成長できたところは?

富永:人間としてももちろん成長できましたし、コート上では短大に入ったときから考えると、身体の部分もそうですし、メンタルの部分だったり、手の長さとか身体能力(の高い相手)に対応できるっていうところはすごく成長できたんじゃないかなと思います。

──フレッド・ホイバーグ・ヘッドコーチから最後にかけられた言葉は?

富永:「3年間、本当にありがとう」「ネブラスカのバスケットを大きくしてくれてありがとう」ということをまず言われました。

──富永選手のほうからホイバーグHCに伝えたことは?

富永:「こちらこそありがとう」って言って。バスケットもそうですし、オフコートでも、彼が色々と成長させてくれたと思うんで。本当に、そういうところは感謝の気持ちを伝えました。

──チームメイトと交わした言葉。

富永:他のみんな、アシスタントコーチたちやチームメイトにも、とりあえず「ありがとう」という言葉を自分からも伝えた。向こうも、「チームを引っ張ってくれてありがとう」ってことは伝えてくれて。すごく良いチームだったので、このチームでもう試合ができないのはすごく寂しいです。


富永のネブラスカ大学でのキャリアはこれで終了となった。次に彼が目指すのはNBAという大舞台だ。

著者
宮地陽子 Yoko Miyaji Photo

スポーツライター/バスケットボールライター