NBA

【米国外出身選手特集】NBA.comの記者が選ぶオールインターナショナルチーム(2021-22シーズン前半戦編)

Author Photo
ジョエル・エンビード&ニコラ・ヨキッチ NBAインターナショナルプレイヤー
NBA Entertainment

2月18日から20日(日本時間19日から21日)のオールスターウィークエンドを終えた選手たちは再び日常に戻り、NBAはシーズン後半戦に突入した。今回は、ここまでのシーズン前半戦で各チームの成功に欠かせなかった米国外出身選手に注目したい。オールNBAチームにならって、オールインターナショナルチームを選抜してみよう。

このオールインターナショナルチームはシーズン終了後に再検証する予定だ。

※記事内のスタッツはすべて2月24日(同25日)に行われた試合終了時点のものを使用。


オールインターナショナル・ファーストチーム

ガード:
ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス/スロベニア)
27.5得点、9.2リバウンド、9.0アシスト

リッキー・ルビオ(インディアナ・ペイサーズ/スペイン)
13.1得点、4.1リバウンド、6.6アシスト

フォワード:
ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス/ギリシャ)
29.4得点、11.2リバウンド、6.0アシスト

ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・76ers/カメルーン)
29.6得点、11.2リバウンド、4.5アシスト

ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ/セルビア)
26.0得点、13.8リバウンド、7.9アシスト

唯一最後まで悩んだのは、ファーストチームのガード枠にドンッチッチと並んで誰を入れるかだ。フロントコートには、アデトクンボ、エンビード、ヨキッチというMVP(Kia NBA最優秀選手賞)候補の3選手が揃う。彼らは全員、シーズンを通してエリート級のパフォーマンスで頼れる存在だ。

ルビオは残りのシーズンの欠場を余儀なくされたが、オールスター選手2人(ダリアス・ガーランドとジャレット・アレン)を擁する若いキャブズを、プレイオフでダメージを与えることのできる安定したチームにした仕事ぶりは評価に値する。キャブズはプレイオフでルビオの経験が必要になることをわかっていたので、その穴を埋めるためにルビオをトレードに出してペイサーズからキャリス・ルバートを獲得している。

ドンチッチは(彼の基準では)シーズンのスタートは出遅れたが、徐々に調子を取り戻している。この4試合は1試合平均41.5得点というとんでもない数字をあげ、その中には2月10日(同11日)のロサンゼルス・クリッパーズ戦での自己最多記録である51得点も含まれる。3ポイントショットの成功率が落ちていることからもわかるように、ドンチッチの唯一の欠点はそのショットセレクションだが、オールスターブレイク前にほぼ毎試合やっていたように、一旦彼がゾーンに入ってしまえばすべてどうでもよくなるのだ。

アデトクンボはおそらくリーグで唯一、理論上どのポジションでもプレイできる選手だが、今季はほとんどのダメージをフロントコートから与えている。ブルック・ロペス不在のためにセンターとしてプレイする時間が増えたが、それでも効率性を犠牲になることはなかった。フリースロー獲得数はキャリア自己最多で、FT成功率も過去3年間で最高だ。

エンビードは怪我でシーズン序盤はいまひとつだったがその後は健康で、かつての相棒のベン・シモンズの恩恵がなくても、シーズンを通してMVP級の数字を残している。終盤はジェームズ・ハーデンとダイナミックなデュオを形成するチャンスを迎えて、2月25日(同26日)のミネソタ・ティンバーウルブズ戦が新たなデュオのお披露目の日だ。

ナゲッツは今季ずっと選手の怪我に泣かされてきたが、それは前回MVPのヨキッチの支配力のさらなる強化につながった。『ジョーカー』はその名の通り『ジョーカー』以外の何者でもなく、毎試合強さを発揮してマイケル・ポーターJr.とジャマール・マレーという2人の主要選手を欠くナゲッツを、ウェスタン・カンファレンスの6位にまで押し上げている。ヨキッチの力でチームは6位をキープできるかもしれないが、もしも、ポーターJr.とマレーのどちらか、あるいは両方がプレイオフまでに復帰できたら、どれだけ強くなれるだろうと考えるのは当然のことだ。


オールインターナショナル・セカンドチーム

ガード:
シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(オクラホマシティ・サンダー/カナダ)
22.9得点、4.7リバウンド、5.5アシスト

RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス/カナダ)
18.0得点、5.7リバウンド、2.6アシスト

フォワード:
ドマンタス・サボニス(サクラメント・キングス/リトアニア)
19.0得点、12.1リバウンド、5.1アシスト

パスカル・シアカム(トロント・ラプターズ/カメルーン)
21.9得点、8.7リバウンド、5.2アシスト

ルディー・ゴベア(ユタ・ジャズ/フランス)
15.7得点、14.8リバウンド、1.2アシスト

セカンドチームには、屈強なフロントコート陣に加えて興味深いガード陣が揃う。ギルジャス・アレクサンダーは怪我に悩まされているとはいえ、すでにリーグでも優れたコンボガードの1人だ。

バレットは、同じ2019年ドラフト組のガードであるダリアス・ガーランド(クリーブランド・キャバリアーズ)とジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)のように、スターの座に躍り出るには至ってはいないものの、毎シーズン着実に向上している。

ゴベアはこの中で最も経験豊富で、NBAで最高の守備選手の1人としての評判を確固たるものにし続けている。

サボニスは、キングスへのトレードという環境の変化を前向きに捉え、今では才能あるポイントガードのディアロン・フォックスと強力なワンツーパンチを形成している。

多彩なスキルを持つシアカムは、ポジションレスのラプターズのラインナップに完全にフィットし、チームはイースタン・カンファレンスのランキングを急上昇中だ。


オールインターナショナル・サードチーム

ガード:
ルーゲンツ・ドート(オクラホマシティ・サンダー/カナダ)
17.2得点、4.2リバウンド、1.7アシスト

ジョシュ・ギディー(オクラホマシティ・サンダー/オーストラリア)
12.5得点、7.8リバウンド、6.4アシスト

フォワード:
ヨナス・バランチュナス(ニューオーリンズ・ペリカンズ/リトアニア)
18.0得点、11.5リバウンド、2.6アシスト

ニコラ・ブーチェビッチ(シカゴ・ブルズ/モンテネグロ)
18.1得点、11.7リバウンド、3.6アシスト

ユスフ・ヌルキッチ(ポートランド・トレイルブレイザーズ/ボスニア・ヘルツェゴビナ)
15.0得点、11.1リバウンド、2.8アシスト

サム・プレスティ(サンダーのゼネラルマネジャー)は、今後数年間における球団強化に必要なドラフト1巡目指名権を数多く所有し、素晴らしいバックコート陣も揃えている。ギルジャス・アレクサンダーの欠場中にリードガードの役割を果たすギディーは、毎試合のようにトリプルダブルの脅威となり、飛躍的な成長を遂げている。また、ドートはそのポジションの柔軟性と頑強なディフェンスのおかげでほぼすべてのラインナップにフィットできる。

バランチュナスはシーズンを通してペリカンズにとっての安定した戦力であり続けており、チームはプレイオフ進出を目指してCJ・マカーラムを獲得した。

ブルズのニュースの見出しにはデマー・デローザンが多く取り上げられ、それは当然なことではあるが、ブーチェビッチの多彩な攻撃力がブルズの攻撃の幅を広げたことによって、デローザンが快適なゾーンでプレイできるようになっている。

ブレイザーズはトレード期限にベテラン選手を手放し、そしてデイミアン・リラードの欠場は続く。そんな状況でブレイザーズがプレイイン進出枠に入っているのは、アンファニー・サイモンズとヌルキッチの素晴らしい貢献によるものだ。ヌルキッチがプレイオフに間に合うように怪我から復帰することを願う。

原文:Around the Globe: All-International Team Part I by Joel Ortiz/NBA.com
翻訳:YOKO B Twitter: @yoko_okc

NBA Rakutenで試合を見る

著者