6月12日（日本時間13日）、NBAファイナル2023第5戦がコロラド州デンバーのボール・アリーナで行われる。マイアミ・ヒートを相手にシリーズ3勝1敗とリードしているナゲッツは、ホームで勝てば球団初の優勝だ。

ナゲッツのマイケル・マローン・ヘッドコーチが11日（同12日）、試合を前に報道陣の質疑に応じた。

――（敗れた）第2戦の試合後、その時の努力の問題について非常に率直に話していた。それから1週間が経ち、2つの試合で勝利を収め、チームはどう反応したと感じているか。優勝する可能性がある明日の試合にどう取り組んでいるのか。

チームの反応は見事だったと思う。マイアミに行き、ロードで2勝した。素晴らしい守備をしてそれを達成した。選手たちは本当によく分かってくれたんだ。もっともっとハードにプレイするということだけでなく、もっと連係し、守備について話し合い、規律を持たなければいけないと取り組んでくれた。第3戦と第4戦は素晴らしい模範だ。

クローズアウトゲームに向けて私が最も心配するのは、人間の性質とそれに抗うことだ。3勝1敗なら、大半のチームが一息いれてしまう。リラックスし、当たり前のようにとらえるんだ。オレたちは勝つぞ、とね。

ただ、我々にはバブルで経験したことがある。1勝3敗とされながら逆転してシリーズを制した。どんなこともあり得ると、我々は知っているんだ。

だから、メディア対応や公開練習の前にチームに伝えたメッセージは、1勝3敗のつもりで臨まなければいけないということだった。彼らは必死なんだ。我々はもっと必死にならなければいけない。彼らはハングリーだ。我々はもっとハングリーでなければならない。第4戦の試合後に祝うことはなかった。我々には勝たなければいけない試合がもうひとつある。クローズアウトゲームは常に最も難しい試合なんだ。

だから、我々がどんなアプローチで試合に臨めるかが楽しみだよ。フェニックス・サンズとの第6戦や、ミネソタ・ティンバーウルブズとの第5戦、ロサンゼルス・レイカーズとの第4戦がそうだった。明日の試合で望むのは、この素晴らしい観客と環境を前に、選手たちが目の前の機会を理解し、それを最大限に生かすことだ。

――今季やこの数シーズンのナゲッツに起きたことのすべてを考えた時、これだけ多くのものがかかっている通常ではない試合に、普段の試合みたいに取り組めるのはなぜか。

明日試合が始まったら、選手たちは「この試合に勝たなければ」となってはいけない。どのポゼッションでも、どの瞬間でも、だ。ここまでたどり着かせてくれたことを信じ、自分たち自身であり続けなければいけない。

マイアミでの第4戦の試合後、みんなが「あと1勝」と叫んでいた。だが、まず明日の試合で第1クォーターに勝たなければいけない。少しずつ進めるんだ。ポゼッションのひとつずつ、クォーターごとにやって、48分間が終わった時に必要なことを成し遂げられるように願っている。

でも、このチームは多くを経験してきた。この2年はジャマール・マレーがいなかったし、昨季はマイケル・ポーターJr.がいなかった。健康に戻り、何人かの重要な選手を加えて、このチームはこれまで試されてきた。本当にこの瞬間のためにつくれられたチームだと思う。明日の機会に選手たちは興奮しているよ。

――カンファレンス・セミファイナルで2勝2敗のタイとなってからは、1敗しかしていない。振り返ってみて、当時のストレスや懸念はどれくらいだったか。今と比べてどうだろうか。

ストレスはなかった。サンズとのシリーズで、我々はホームで2勝し、彼らもホームで2勝したね。大半の人がウェスタン・カンファレンスを制覇すると思っていたチームとの対戦なんだと分かっていたよ。彼らのタレントレベルを考えたら理解できることだ。だから、ホームでの第5戦を前にストレスはなかった。自分たちには素晴らしいホームコート・アドバンテージがあり、ファンがいてくれて、自分たちがより良いプレイをするはずだと分かっていたんだ。

勝てば突破というサンズとの第6戦で、ハーフタイムまでに30点をリードするとは思っていなかった。ただこれは、ホームに戻ってファンの前で戦える第7戦に頼らなかったことを、選手たちが分かっていたことを示している。ヒートとのシリーズに勝つのに、あと3試合をあてにしてもいない。そういうことに頼りだすと、面倒なことになるんだ。

だから、明日の試合は、1勝3敗のつもりで臨むと言っている。我々にとって勝利必須の一戦だ。そして選手たちがそういうメンタリティーで試合に臨み、そういうメンタリティーでプレイすれば、素晴らしい立場に立てるのだと願っているよ。