タイガー・ウッズがセントアンドリュース18番ホールへ向かいながら流した涙のわけ:「これが私にとって最後の全英オープンになるかもしれない」

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タイガー・ウッズ(米国)が大きな期待を背負って挑んだ2022年度『全英オープン』の復帰戦は、失意の結果で終わった。昨年2月の自動車事故から復帰したゴルフ界のレジェンドは、7月15日(日本時間16日)のラウンドを合計9オーバーでホールアウトし、予選通過カットラインを大きく下回ったのだ。

この2ラウンド目の大部分において、ウッズが週末の決勝ラウンドに進めないことはほぼ明らかだった。全英オープン2日目、最終18番ホールのティーに向かうウッズはギャラリーと仲間のゴルファーから大歓声を受け、感極まり涙を拭うようなしぐさを見せた。これがウッズにとってセントアンドリュース・オールドコースでの最後のラウンドになるかもしれない。

下がその感動的な場面の動画である。ウッズのスコアにかかわらず、これこそが今大会ここまでに起きた最高の瞬間にひとつに数えられることには疑いの余地はない。

2022年全英オープンに先立ち、ウッズはこの大会と自らの将来について率直に語っていた。

「最高のレベルで競うチャンスを得るために、私はセントアンドリュースでプレイします」

米放送局『NBC』とのラウンド後インタビューにおいても、ウッズは感情を隠さなかった。「私にとって、これがセントアンドリュースでの最後の全英オープンのように感じます」と述べたのだ。ウッズはこれからも全英オープンに出場し続けるとは言ったが、この大会が次に「ゴルフの聖地=セントアンドリュース」に戻ってくるまで、自分自身が現在のレベルで競うための身体を保つことができるかは分からないとも言った。

ウッズはまた18番ティーに向かった際の感情の高まりについても話した。そして声援を送ってくれたすべての人への感謝を口にした。そこにはウッズに向けて脱帽し、敬意を表したローリー・マキロイ(北アイルランド)とジャスティン・トーマス(米国)も含まれる。

「私は皆が18番ティーで立ち止まってくれたように感じました。この大会に関わったすべての人々が与えてくれた大きな理解と敬意にはただ言葉がありません。それは選手たちを励ましてくれました。立ち去る選手たちも私に会釈をくれました」

ウッズはただセンチメンタルになっただけではなかった。緊張のため、予選を通過するには十分なプレイができなかったことを認めている。

「もちろん私のプレイは次に進むためには十分ではありませんでした。もっと良いプレイができていたらなと思います。昨日の第1ホールから良いスタートを切れていたら、もう少し上手く行ったかもしれません。しかし、これが起きてしまったことです。願った通りには物事は進みませんでした」

「一生懸命に頑張りましたが、残念ながら取り返すことはできませんでした。今日もグリーンのスピードには苦しみました。パットを思い切って打つことができなかったのです。その結果として、十分な数のバーディーを取ることができませんでした」

ウッズはインタビューで将来についても、次に出場する大会についても、明言はしなかった。全英オープンが終了すると、2021-22年シーズンのPGAツアーにはメジャー大会はもうない。

ウッズがセントアンドリュースに戻ってくることはあるのか、あるいはこの大会でまた真価を発揮することができるのか、どちらも現地点では不明のままだ。

原文:Tiger Woods emotional on final 18th hole walk at St. Andrews: 'It might have been my last British Open' (翻訳:角谷剛)

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Zac Al-Khateeb Photo

Zac Al-Khateeb is a content producer for The Sporting News.