Sスケ・マススタートの高木菜那は再び転倒、決勝進出の佐藤綾乃は8位:北京五輪第16日目

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最終コーナーまでトップを飾った高木菜那だったが、左脚がもたず再び転倒…
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北京冬季オリンピックは現地時間2月19日に第15日を迎え、スピードスケートのマススタートが行われた。女子では平昌五輪覇者の高木菜那が準決勝で転倒し敗退。決勝に進んだ佐藤綾乃も他国選手との接触で8位に終わった。フィギュアスケートのペア・フリースケーティングでは三浦璃来/木原龍一の"りくりゅう"が7位に入賞した。

高木菜那が再び悪夢、佐藤も決勝で接触し8位に

15日の女子団体追い抜き(パシュート)決勝の最終コーナーの転倒で号泣した高木菜那は、初採用となった平昌五輪で金メダルを獲った女子マススタートでの雪辱に臨んだ。準決勝(1回戦)2組目での滑走となった高木菜は競り合い苦戦し、後半ようやく抜け出してトップに立った。しかし、最終コーナーで横滑りし転倒。連覇はおろか、まさかの準決勝敗退となった。

レース後、再びの転倒について「左脚がいうことをきかなくなっていた。スケートがもっていかれちゃった感じ」と話し、体力的に逃げ切れなかったことを明かした高木菜。またマススケートという種目の特性である集団レースにおけるリスクについても触れ、「正直もうやりたくないなっていう気持ちが…怖くて、人とぶつかるのも嫌だし。難しいなって思いました」と後ろ向きな言葉も漏らした。

別のインタビューでも「うまくいかないことって続くのかな」と話すなど、精神的なダメージを伺わせたが、レース前には様々な方面からの応援の声が届き、「次は笑顔になれるようなレースがしたいと思って、気持ちが切り替えられたので、応援して下さっていた日本の方々には感謝しています」と気丈に話した。

また準決勝1組目2着だった佐藤綾乃は、「菜那さんの分も」と誓って決勝に臨んだが、怪しくも最終コーナーでROCの選手に接触され、巻き込まれる形で失速し、8位に終わった。「あの接触がなければ3位も狙えたのかな」と悔やんだが、コロナ禍の影響から、2シーズンぶりのマススタートで試合勘が戻っていなかったこともあり、ラフな競り合いを伴うレース展開に対応しきれなかった。

一方、男子では平昌五輪に続いての同種目出場となった土屋良輔が6位、一戸誠太郎が8位に入賞した。土屋の6位は日本勢で過去最高位となり、「最後は力負けしちゃったけど、頑張ったご褒美として入賞がついてきた」と喜んだ。

フィギュアスケートのペアは"りくりゅう"が7位入賞

フィギュアスケートのペア・フリースケーティングでは、SP8位の三浦璃来と木原龍一の"りくりゅう"ペアが9番手の登場。得意のトリプルツイストリフトなどリフト技をしっかり決め、揃ってのジャンプも乱れなく着氷させるなど、見せ場となる場面も含めて安定感のある演技をやりきった。会心の内容にコーチだけでなく、観客席で応援した鍵山優真や坂本花織ら日本代表勢も歓喜した。

計211.89点で総合7位となり、ペア種目では日本勢として初の入賞。過去最高位は1992年アルベールビル五輪の井上怜奈/小山朋昭ペアの14位だった。また、メダルには届かなかったが、フリー採点に関しては全体5位となる141.04点をマーク。りくりゅうが世界を相手に戦えるレベルに近づいたことを証明した。

優勝は地元中国の隋文静/韓聡ペア、銀メダルはエフゲニア・タラソワ/ウラジーミル・モロゾフ、銅メダルはアナスタシア・ミシナ/アレクサンドル・ガリャモフのROC組が続いた。

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著者
神宮泰暁 Yasuaki Shingu Photo

日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。